正直者が馬鹿を見る世界。 2023.06.03

　本当に力がある人じゃなくて力のある人を演じられる人の方が評価が高い世界。何を言ったかじゃなくて誰が言ったかの方が重要視される世界。中身じゃなくて外面から取り繕うとする世界。正解の主張が不正解の嘲笑に捻じ曲げられる世界で、口を開けられなくて困っている人がいる。

　馬鹿に拡声器を持たせてしまった。これがSNSがもたらした最大の功罪だと思っている。良くも悪くも人々の発信能力が飛躍的に向上した。その結果、今のSNSには「エセ天才」が溢れてしまった。今日知った知識を大声でひけらかして、あたかも全知全能を装っている。それを自他共にカリスマと勘違いしている。持てる発信力を武器に、あたかも至極真っ当な議論を展開する。本当の議論はTwitterなぞでは行われていない。

　そんな「天才たち」のために、正解が塗り替えられていく。今発信力の強い人が「万有引力なんてものはありません」と発言したら一体何人が信じてしまうんだろう。

　僕は本物の正解を声に出せないまでも、思考できる人間でいたい。それができる人を正当に評価できる世界であってほしい。

　以上、自称正直者の戯言でした。